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今バリ島で急増しているLPKとは?

  • Writer: Ayako Yamamoto
    Ayako Yamamoto
  • Dec 17, 2025
  • 7 min read

インドネシアのバリ島ではここ数年、若者の就労や海外進出をめぐる文脈の中で「LPK」という言葉を耳にする機会が増えている。LPKとは職業訓練機関のことで、日本語教育や実務スキルの習得、さらには送り出し機関との連携による海外就労支援まで、多岐にわたる役割を担う存在だ。特に日本向けの技能実習や特定技能制度の広がりとともに、バリ島におけるLPKの数は増加し、同時に活動内容も多様化している。本記事では、バリ島で急増するLPKの現状や背景、送り出し機関との関係、日本に関心を持つ読者が知っておくべき制度面や注意点までをわかりやすく整理する。


LPKとは何か:基本定義と制度位置づけ

LPKの正体:職業訓練機関

LPKは 「Lembaga Pelatihan Kerja(ルムバガ・プララティハン・クルジャ)」 の略で、日本語では「職業訓練機関」と呼ばれる教育機関だ。これはインドネシアの労働省(Kemnaker)によって認可された、職業訓練を行う非正式な教育機関であり、実務スキルや言語、業界知識を習得する場として機能している。

LPKは単なる語学学校や趣味の講座ではなく、受講者が就労や就職に直結するスキルを身につけるためのトレーニングに重点を置く教育機関だと位置づけられている。インストラクターやカリキュラム、実技訓練など、一定の基準を満たすことで政府認可を受ける必要がある。


なぜ今、バリ島でLPKが増えているのか?

若年人口と就労ニーズの高まり

インドネシアは人口が約2億7,000万人で、世界第4位の規模を有する。人口の多くが就労年齢人口であり、仕事とスキル獲得へのニーズが高い。バリ島は観光だけでなく、教育需要や外国語習得への関心が高く、若者の間で就学・就労機会を探す動きが活発だ。ここにLPKという選択肢が当てはまっている。

日本との関係で注目が高まった

特に近年、インドネシアから日本への労働者受け入れや技能実習制度への関心が高く、日本語教育や就労準備を提供するLPKが増えている。これには、現地で日本語や日本文化、実務スキルを学びたいという希望者の増加が背景にある。


LPKが提供する主な内容とは?

言語教育と文化理解

LPKでは英語や日本語といった外国語教育が行われる。特に日本語は、日本での技能実習や特定技能就労を目指す受講生に人気の科目になっている。単に言語だけでなく、ビジネスマナーや文化理解を含むプログラムが提供されているケースも多い。

実務スキルと職務訓練

LPKは実際の仕事に結びつきやすいスキル育成にも重点を置く。例えば介護、建設、IT、製造といった産業分野に対応した訓練があり、職場にすぐ貢献できるような専門技術の習得を目指すプログラムがある。

就職サポートやマッチング

多くのLPKは職業訓練だけでなく、就職活動の支援や求人情報の提供、面接準備など就労につながる支援サービスも充実している。これが単なる学校ではなく「就労につなげるための機関」としての価値を高めている。


LPKと「送り出し機関」(SO・P3MI)の関係

送り出し機関とは

インドネシアから海外へ働きに行く人の増加に伴って、LPKと合わせてよく出てくる言葉が「送り出し機関」だ。正式には P3MI(Perusahaan Penempatan Pekerja Migran Indonesia) や SO(Sending Organization) といい、海外企業との橋渡しをする組織を指す。

LPKは職業訓練を行う教育機関だが、SOやP3MIは“送り出し”自体を行う機関だ。このため、LPKで学んだ受講者が海外で働く場合、実際の送り出し手配はSO/P3MIが担当するのが基本だ。

合同での機能:トレーニング+送り出し

最近は、LPKが自らSO資格を取得して、トレーニングと送り出しを一体化して提供するケースも増えている。受講生は教育と送り出し支援を同じ組織で受けられるため利便性が高まっている。


バリ島現地での実例:LPKの活動

LPK MENTARI ASA BALI

バリ島ギャニャールにある「LPK MENTARI ASA BALI」は、インドネシア労働省の認定を受け、日本語教育や技能実習・特定技能の支援を行っている。教育から送り出しまで一貫して提供し、受講生の負担を抑えつつ丁寧な運営を心がける。


LPK LINK

「LPK LINK」は、バリ島で近年存在感を高めているLPKの一つだ。語学教育や職業訓練を組み合わせ、基礎から実務に近い内容まで段階的に学べるカリキュラムを用意している点が特徴とされる。受講生の多くは、日本を含む海外での就労や、将来のキャリアアップを見据えて通っており、授業ではマナーや面接のポイントなども扱われる。


LPK Timedoor

バリ島では弊社「LPK Timedoor」のように、語学教育とキャリア形成を結びつけるタイプのLPKも存在感を増している。LPK Timedoorは日本語教育を軸にしつつ、特定技能や技人国ビザを視野に入れた受講生に対して、日常会話だけでなく職場で必要となるコミュニケーションや文化理解を重視したプログラムを提供している。

さらに、同グループのTimedoor AcademyによるIT教育事業や子ども向けSTEM教育、システム開発事業を背景に持つ点が特徴で、語学とデジタルスキルの両方を扱える基盤があることで、従来のLPKの枠を超えたカリキュラム設計が可能になっている。


日本や企業側との連携を持つことで制度理解も深く、教育と送り出しの間に生まれやすい情報格差を埋める役割を果たしている点も評価されている。



法的・品質面のチェックポイント

認可・ライセンスの重要性

LPKはインドネシア労働省による認可が必要で、これがないと教育の質や就労支援の信頼性に不安が残る。認可を受けているかどうかを公式に確認することが非常に重要だ。

カリキュラムと業界連携

良いLPKは業界ニーズに合わせたカリキュラムを持ち、企業とのネットワークがある。これが受講後の職業機会につながるかどうかの命運を握る。



日本人が知っておくべきポイント

日本の受入制度との関係

日本の技能実習や特定技能制度を目指す受講者にとって、LPKでの準備は有効だ。ただし、語学や実務スキルの習得だけでなく、正式な手続きやビザ関連は別途専門機関や送り出し機関のサポートが不可欠だ。

信頼できるパートナー選び

バリ島のLPKは多様化していて、質も玉石混交だ。認可があり実績があるか、受講者の卒業後の就職実績がどれくらいかを見極めることが大切だ。



まとめ

Lバリ島でLPKが増えている背景には、若い世代の就労意識の変化、日本を含む海外への就業機会の拡大、そして語学や実務スキルを求めるニーズの高まりがある。LPKは単なる語学学校ではなく、職業訓練機関として受講者が働くための準備を行う場として重要な役割を担っている。送り出し機関と組み合わせることで、教育から海外就労までを一貫して支援するケースも増えており、バリ島の人材育成における存在感はますます高まっている。一方で、LPKの質は機関ごとに異なるため、認可や実績、就職支援の内容などを確認しながら信頼できるパートナーを選ぶことが必要だ。今後、日本とインドネシアの人材交流が進む中で、LPKはその橋渡しとしてさらに注目されるだろう。



本記事で使用した単語の解説

LPKインドネシア語の「Lembaga Pelatihan Kerja」の略で、職業訓練機関を意味する。語学や専門スキルの習得、就職準備を目的とした教育機関。

職業訓練機関就労に直結する知識やスキルを提供する教育機関。インドネシアでは労働省の認可が必要。

送り出し機関海外で働きたい人材と海外企業をつなぐ役割を担う組織。正式にはP3MIやSOと呼ばれる。

P3MI「Perusahaan Penempatan Pekerja Migran Indonesia」の略。インドネシア人労働者の海外配置を行う企業形態。

SO(Sending Organization)送り出し機関を指す英語表記。LPKと連携して海外就労を支援する場合が多い。

技能実習日本の受入制度の一つで、一定期間日本企業で技能を学ぶ制度。インドネシアは主要な送り出し国の一つ。

特定技能2019年に始まった外国人労働者受入制度。特定産業分野で一定の技能と日本語能力を持つ労働者が対象。

バリ島インドネシアの観光地として知られる島。観光に加え、語学教育や海外就労意識が高い若者が多い地域とされる。



FAQ

Q:LPKは語学学校と何が違うのか?A:語学学校は言語学習が主目的だが、LPKは就労を見据えた実務スキルや面接準備、送り出し機関との連携など、職業訓練に重点が置かれている。

Q:LPKを修了すればすぐに海外で働けるのか?A:LPK修了は準備段階であり、実際の海外就労には送り出し手続きやビザ手配、企業側の条件など追加のプロセスがある。

Q:送り出し機関とLPKは同じなのか?A:役割が異なる。LPKは教育、送り出し機関は海外就労の実務手続きが中心。ただし双方を一体化する組織も存在する。

Q:バリ島ではどの分野のLPKが多いのか?A:日本語教育、介護や建設系の技能訓練、ホテル・ホスピタリティ、ITなど、海外就労と相性の良い分野が多い。

Q:日本人にとってLPKはどんな意味があるのか?A:日本の人材不足や技能実習・特定技能制度と関連し、インドネシア側の人材供給体制を理解する上で重要な存在となる。

Q:LPKを選ぶ際の注意点は?A:認可状況、カリキュラム、送り出し連携、受講者の実績、費用と透明性などの確認が求められる。

 
 
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